kansaibou幹細胞治療
再生医療PRP療法とは?
PRP (多血小板血漿: Platelet-Rich Plasma)は患者様ご自身の血液から炎症を抑える良いタンパク質と軟骨を守る成長因子を高濃度抽出したものです。
- ・自分の血液の中にある、組織を修復したり炎症を抑えたりする細胞やタンパク質を高濃度に抽出して患部に注射することで痛みを取る治療法
- ・完全自分の血液による治療なので、薬のような副作用はない
- ・まだまだ保険適応にならない自費の比較的新しい治療法
あの世界的有名選手が現役で投げれているのもPRP治療のお陰?
1988年兵庫県に生まれた彼は、高校で投手として頭角を現し、ドラフト1位でプロ野球に入団。
26歳でメジャーに移籍して、球団の新人投手として史上初の月間最優秀投手に選ばれた。
移籍した年にオールスターにも1位投票で選出された。
しかし、その後に肘を痛めてしまい、オールスターを辞退することに。
肘の靱帯損傷の診断。
通常はトミー・ジョン手術を行うことが多く、投手としての復帰には1年以上掛かってしまうという辛い壁が立ちはだかった。
しかし、球団の主治医クリス・アーメッド医師は、日頃から靱帯や腱の断裂の手術後に注射しているPRPを彼に勧めた。
結果、彼は手術は選ばずPRP療法を選択することで、本来1年以上掛かるとされた復帰をたった1ケ月半で成し遂げてしまった。
その後も彼はメジャーで活躍を続け、コロナの影響もあり2021年楽天イーグルスに復活し、現在も第一線で活躍しています。
そう、PRP療法が救ったのは田中将大投手の大事な右肘だったのです。
最近では2018年に大谷翔平投手が同じ肘の故障でPRP療法を受け、今も大活躍しています。
その時の記事はこちら ⇒ https://www.tbsradio.jp/264468
そんな、世界の一流投手が受けた治療が今や当院でも受けられるようになりました。
さて、我が国でも再生医療として認可されたPRP療法ですが、靱帯だけでなく、最近では変形性膝関節症など関節の軟骨が擦り減る病気にも効果があることが証明されています。
再生医療のターゲット・関節の痛みと炎症とは?
変形性関節症の関節内では、軟骨の破壊成分を作り出す炎症性サイトカインという悪玉タンパク質が活発化しています。
悪玉タンパク質は軟骨の破壊成分(MMP)を作りやすくしてしまう結果、関節内での炎症を悪化させ、関節の痛みを強くさせてしまいます。
痛みをこらえて関節の炎症を我慢していると、だんだんと軟骨の破壊が進んでしまいます。
最終的には関節内の軟骨は擦り減りきって、本来の関節の機能を失ってしまいます。
擦り減った関節は軟骨の破片などで炎症が徐々に悪化し、その炎症によりさらに関節は破壊され、徐々に進行していきます。
再生医療以外の変形性関節症の治療とは?
現在の変形性関節症の健康保険での治療では、大きく分けると、初期・中期なら運動療法や薬物療法による保存療法、末期なら手術療法が行われています。
初期であれば、理学療法士の指導による運動療法やダイエット、湿布などの外用薬、超音波治療器などで痛みを取ることは可能です。
その後、徐々に進行すると、内臓への副作用が懸念される強力な痛み止めやヒアルロン酸注射を漫然と繰り返さなければならなくなります。
さらに進行してくると、人工関節置換術を中心とした全身麻酔と数週間の入院を伴う手術療法が最終手段として必要になってきます。
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